大臼歯歯根の破折 その1
歯は非常に堅牢で、硬いものでも容易に噛み砕くことができます。しかし、ときには歯根が割れることがあります。

左の図1は第一大臼歯を神経の治療後(中央の金属冠、白く写っているもの)21年間、異常無く経過した。
ところが、それから2年後、急に図2の黄色の矢印の部と歯根の分岐部に影が認められた。

更に図3、4では黄色の矢印が示すように歯根が破折して分離し、右側に移動している。
口腔内の写真では根の破折が見られる。黒い矢印
大臼歯歯根の破折 その2
別の症例で図5は第二大臼歯の神経の治療後、8年経過の写真。それから10年後、急に歯根の破折。図5緑の矢印。

小臼歯歯根の破折
これは完全な破折に至る前に、ひび割れの段階で発見されたものです。
第二小臼歯の神経の治療後セラミック冠を装着。19年間異常がなかったが噛んだ時に痛みを覚えるようになった。
X線検査で異常が認められなかった。更に7ヶ月後、自発痛は無いが、相変わらず噛むと痛い。
プローブ(先の丸い探針)で歯肉の辺縁を探ると舌側の隅角部で8mmの深いポケットを発見。
歯根の破折と診断されたので抜歯。下の写真

左端は抜去歯の頬側。中央は舌側の写真、青色の矢印の所に僅かに破折線が見られる。
青色の矢印の方向から撮影したのが、右端の拡大写真。黄色の矢印の所に金属冠の上から根端に走る破折線がみられる。
光を横から当てて、透かして見ないと分らない程のひび割れである。X線では判読できない。
この破折線に沿ってプローブを挿入できたわけである。
前歯の水平破折
一般的に縦に割れることが多いが、水平に破折することもある。
黄色の矢印の所で歯根の破折がみられる。経過は記録がないので不明。
神経の治療をした歯が噛んだ時、急に痛むようになったら一応、歯根の破折を疑って検査を受けるとよい。
特に早期のひび割れの段階では発見が難しい。
歯の神経が健全な生活歯では余程の暴力的な力が加わらない限り、根の破折は少ない。
ひとたび歯根が破折すると自然治癒はありえない。骨折の場合は自然修復が起こるが、歯は放置しても改善されない。
従って、余りにも硬いものを齧るのは、例えば梅干しの種を噛んで割るようなことは避けよう。
充分に注意した積りでもグラスがカチンと割れることがあるように、歯も割れる事があるのでお忘れなく。
私も焼き肉でキャベツの芯を焼き上がるのを待てずに、前歯で齧ったらバリンと縦に割ってしまった。トホホ
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