歯を全く磨かないとどうなるか

歯は何故磨かなくてはならないのでしょうか。

朝、起きて練り歯磨をつけてゴシゴシやらないと目覚めが悪いから
親から云われて、ただ習慣的にやっていたから
虫歯になり易くなるから
 など、色々と云われています。

 では、実際に歯を全く磨かないと、どんなことが起こるでしょうか?
私共の研究グループの歯科医に被験者になってもらって、1週間全く歯を磨かないテストを行ってみました。

上段4枚の写真は、口の中を正面から見たものです。

○テスト前の状態
左端は正常な口で、特に歯と境目の「はぐき」の辺縁に注意して下さい。
健康な「はぐき」は、歯と歯の間でピラミッド状に入り込んでいます。
平ったく、引き締まった感じで、少し白っぽい色をしています。
その中でも四角の青線で囲まれた部分を注意して見て下さい。下段がその拡大写真です。

○歯磨きを中止した2日後(左から2枚目の写真)
たちまち歯垢が歯の表面に付いてきます。ここでは付いたものが良く分かるように、赤く染めてあります。
更に重要なことは、僅か2日で「はぐき」に変化が起こっています。
ピラミッド状の「はぐき」の尖端が丸みを帯びて、厚ぼったくなってきました(テスト前の四角の部分と比較)。
歯並びの悪い切歯(二日後の拡大写真の真ん中の歯)を取り囲んでいる周りの「はぐき」は、全体的に上へ腫れ上がり、はぐきの辺縁はV字状からU字状に変ってきました。

○歯磨きを中止した1週間後(左から3枚目の写真)
歯面全体の汚れは益々酷くなってきます。歯並びの悪い部分がもっとも汚れが著しく、歯垢の厚みも増加しています。
ピラミッド状の「はぐき」は球状に変化してきました。
歯並びの悪い歯を取り囲んでいる「はぐき」の辺縁は更に全体的に腫れ上がって、U字状から半円形になってきました。「はぐき」がせり上がってきたので、歯は短く見えます。

○1週間後に初めて磨いた写真(右端)
全体的に「はぐき」は、赤く腫れ上がって辺縁はギザギザになっています。
磨いても腫れはそのままです。しかし、痛みはありません。

◎ 結論
    歯を磨かないと、「はぐき」が腫れてきて出血し易くなる。痛みは感じない。
    歯並びが悪いと、歯磨きが難しく、歯ブラシが届き難いため「はぐき」が腫れ易くなる。
    口の中が臭くなる(食べたものが腐るからゴミ溜と同じ環境になる)。

このような状態が1〜2週続いたとしても「歯が磨かれていないとどうなるか(大人の場合)」で述べたように正しく磨けば容易に治癒しますので怖くはありません。
 ところが、この状態が半年、1年、5年と続くと今度は大きな変化が現れ、治療は容易でありません。
痛みがないので放置することが多く、「歯槽膿漏」で示した状態まで進行し、歯がグラグラし始め遂には脱落する事になります。
 歯を全く磨かない人はまずいませんが、実際には局所的にこのようなことがよく起ります。
 磨くときは鏡を見ても手の陰になったりして、口の中までよく見えませんから、誰でも適当に磨いているのです。
考えてみると勘ほど当てにならないものはないのです。
自分では磨いている積りでも、一番奥の歯や、下の前歯の裏側は歯ブラシが全くとどいていないことが多いのです。

注意
 この画像は、横浜市開業の高橋堅一氏の提供によるもので、転載・転用を禁止します。


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